最近の緊縛ブームに物申す(かもしれない)

わたし、緊縛に関する記事しか書いていない気がするんだけど...笑

緊縛の諸注意に関してのツイートがめちゃくちゃ回ってるので、140字じゃ伝えられないことをちゃんとまとめようかな、と思った次第です。
IQ低いし口が悪いから嫌な表現で長々書いてしまうかも知れないけれど、自分の身を護る為だと思って読む方はちゃんと読んで下さいね。

「緊縛=緊縛師」というイメージがあると思うんですが、この緊縛師に資格はありません。
幾つか流派があって、そこに弟子入りしたりして、各流派独自の階級とか肩書きを設けているといった形です。
しかし、別に流派に属していないからといって緊縛師が名乗れないかというとそうでもありません。
「名乗ったその日から緊縛師」なのです。
だって資格も免許もないもん。
名乗ったもんがちなんです。
なので、全然知識がなくて、それこそ本を読んだだけ、ネットで調べた知識だけで緊縛師を名乗る事も出来ます。恐ろしいね。
緊縛師というものはそれほど曖昧なものなのです。

た・だ。
どこかの流派に属している方なら、名前を調べればある程度は分かります。
特にその道で長年食べている方ならすぐ出てきます。
これはその人がちゃんとした(というのも誤解を招きそうだけど)緊縛師である事を知るための一種の目安にはなります。
中には凄くそれっぽい事を言ってる素人に毛が生えた程度の緊縛師もどきも居ます。
前に縄をやる上での常識である事を「最近知った」というトンデモ発言をかました自称緊縛師(笑)を見かけましたが
正直...
鞣していない麻縄で首吊って(以下略
もしくは
逆さ吊りで脳天から落ちて首の骨折って(以下略
と思いました。
そんな人も居るのです。

しかし、名前が出てくる有名(この表現も嫌い)な緊縛師だからといってちゃんと信頼出来るかどうかとなると、また別の話です。
無茶苦茶な縄をやる人が居るのも事実。
それにより、身体を壊す受け手さん(縛られる人のこと)が居るのも事実。
名前だけじゃその人がどんな縄をやる人なのか分からないのです。

もし緊縛をやりたいのであれば、身も蓋もないですが自分で習うのが一番です。
緊縛には自縛というジャンルがあります。
字を見て分かるように、自分で自分を縛る緊縛の一種です。
自分で自分を縛ることにより縄のテンション(キツさととらえてください)がよく分かります。
「どれだけのテンションで縄をかけたら痛くないのか」
「どこに縄をかけたら痛いのか」
そういう基本的な事がしっかり学べるからです。
なので、わたしが縄を教えるときは必ず自縛から教えています。

緊縛自体、罪人を捕らえる捕縛術、罪人に罪を吐かせるための拷問から始まったと言われています。(諸説あり)
あなたが罪人を捕まえたら逃げないようにしますよね?
縄を使って逃げないように、暴れないように縛り上げてくださいと言われたらどうしますか?
それを美しく見せ、かつ受け手に極力負担を掛けないように改良したのが現代の緊縛です。
ルーツがルーツですから、いくら身体に負担を掛けないように改良したとはいえ、その程度などたかが知れています。
普段動かさない部分を動かして、普段とらない様な体制で固定されるのです。
そのキツさは簡単に想像できると思います。

その人の筋肉や脂肪の付き方によって縄のテンションは変化します。
また、関節の柔らかさによって出来ることと出来ない事は当然出てきます。
あと、縄に慣れているかどうかによって縛られている時間も変わってきます。

わたしを例にしてみますと...
受け手の経験は5年ほど。
勿論吊られたりもしています。
関節は柔らかいほうです。(背面合掌が出来ます)
そんなわたしが、一番オーソドックスな後手縛りで30分放置されるのが限界です。
30分でもかなりきついです。
そしてこの30分は緊縛において放置の限界の時間とされています。(教える人により多少短かったりしますが、30分以上はないです。)
慣れている人間でこれです。
初めての人にここまでやる事は出来ません。
大抵5分から10分で解きます。
まだ平気!と言おうが解きます。
初心者のまだ平気はもうアウトじゃ!

先程から言っている慣れとはなんなのか。
慣れていると何が違うのかと言いますと、縄の加減がわかるんです。
「右のほうがテンションがキツい」
「それ以上テンション掛けられたらそれ以降の動きが辛い」
「ここに縄があると痛いけど、テンションは丁度いいから縄をもっとこっちにして」
こういった事が縛り手さんに言えるようになります。
同じ縛り方、同じテンションでもその日の体調により痛みを覚えたりします。
もちろん縛り手はそういったコンディションも気にしつつ縛りますが、やはり細かいところは受け手さんから申し出て頂かないとわからないのです。
そうやって言ってもらう事により、事故が防げます。
緊縛は縛り手と受け手の信頼関係がなければ元来出来るものではありませんし、受け手は我慢する必要はないんです。
痛いものは痛い、無理なものは無理、と言わなければ健全な緊縛は出来ません。

最近のレイヤーさんの緊縛ブーム、嬉しく思いますが、緊縛というものは素人がおいそれと手を出してはいけないジャンルです。
知識と経験により行える技術です。
知識と経験が必要だからこそ、緊縛師という存在があるのです。
わたしから言わせて貰えば、菱形縛りと亀甲縛りの違いもわからねぇトーシローが緊縛に手を出すなんざ1000万年早いってもんよ、顔洗って出直しといで。ですよ、ほんと。
事故が起こってからじゃ遅いんですよ。
これからもコスプレを楽しみたいのなら、ちゃんとお金をかけて、その道の人にお願いするか、習いましょう。

そんな気持ちからわたし、立木楽園(たちきえでん)はコスプレ緊縛の撮影をやらせていただいています。
あえて緊縛師とは名乗っておりませんが、しっかりとその道の人間から学び、また自身も縄を受けて来ております。
因みに立木はどの流派にも属していません。
最初に基礎を教わったのがとある有名(この表現本当嫌い)な流派のアレソレだったので、大元は一応ありますが、その後色んな所に顔を出しては縄を学んでいるので、ちゃんとした流派というものはありません。
バックボーン的なそれはないのです。
責任は全部わたし自身、立木楽園個人で負っています。

もし、少しでも緊縛に興味があるのであれば、是非お声がけください。
素敵な作品作りをお手伝いさせて頂ければと思います。
そして、この記事を読んだ方が少しでも緊縛行為に関しての危険性を把握してくだされば幸いです。

ご質問等はツイッター@My_Sweet_XXX__までどうぞ。
リプライでもDMでもお受けしております。


立木 楽園